■ビタミン

ビタミンは物質の代謝を助ける不可欠な栄養素です。体内への吸収が容易な水溶性ビタミンと、吸収にある程度の脂質摂取が必要で、水溶性に比べ排泄されにくい脂溶性ビタミンがあります。
水溶性ビタミン                                               
ビタミンA 皮膚、特に粘膜の角化を防ぎます。牛乳、バター、卵黄、レバーなどの動物性食品にのみ含まれるが、トマト、ニンジンなどの野菜にもビタミンAの前段階の物質が含まれます。欠乏により夜盲症、眼球乾燥症、皮膚の角化。過剰摂取により、嘔吐、貧血、脱毛。
ビタミンD 腸管でのカルシウム、リンの吸収を高め、リンを骨や歯に沈着させる働きを持ちます。卵黄、魚油、酵母、茸類に多く含まれる物質が紫外線の作用でビタミンD に変化します。そのため日光不足が欠乏の誘引となることもあります。欠乏によりくる病、骨軟化症。過剰摂取により異所性石灰化症、食欲不振。
ビタミンE 穀類の胚芽、穀物油に多く含まれます。
ビタミンK 緑色野菜に含まれるものと腸内細菌により合成されるものとがあります。肝臓において血液凝固に必要な物質を生成します。欠乏により出血傾向を示します。
脂溶性ビタミン
ビタミンB1 炭水化物の燃焼に関与しています。豚肉、胚芽、酵母にも多く含まれますが、ビタミンB1を合成する腸内細菌も存在します。シジミ、ハマグリはビタミンB1を壊す物質を含んでいるため大量にとると欠乏を起こします。
ビタミンB2 耐熱性の成長促進因子。牛乳、レバーなどに多く含まれる。欠乏により口唇炎、口角炎になるが、肝障害によっても欠乏症となります。
ビタミンB6 酵母、肉類に多く含まれます。
ニコチン酸 糖の代謝に関与し、欠乏により皮膚炎(日光による発赤など)、消化障害、脱力。
パントテン酸 極めて微量だが、動植物組織に広範囲に存在します。
ビタミンH 腸内細菌により合成されるので欠乏症は起こしにくいですが、生卵の過食により欠乏することがあります。
葉酸 造血作用を持ち、DNAの構成要素です。野菜、果実に多く含まれます。
ビタミンB12 主に肝臓に含まれますが、腸内細菌によっても合成されます。
ビタミンC 野菜、果物、豆類、芋類に多く含まれ、人間の体内では合成できません。欠乏により出血傾向を示します。
  
  最近ではサプリメントとしてビタミンCを摂取し、胆石の原因になっています。自然に食物からバランスよく摂取し、サプリメントによる過剰な栄養にもご注意ください。