■検査値の読み方 
  当院で透析を受けられている患者さん用に作成しました。
白血球数 3000~8000/μl 最近が体内に侵入すると、体を守るために白血球数が増えて戦おうとするので、感染の有無を知る目安になります。
赤血球数 250~300万個/ml 赤血球が造られなかったり、透析による残血などで失われると数が少なくなります。
血色素量 9g/dl 全身に酸素を運ぶ役割があり、少なくなると息切れやだるさなどがでてきます。
ヘマトクリット 30%以上 貧血の程度を表します。血液全体を100%として、赤血球成分の占める割合をいいます。20%以下になると動悸や息切れが出現しやすくなります。
MCV 100前後 赤血球の大きさです。
TP(総タンパク) 6~8g/dl 血中のたんぱく質で、栄養状態の指標となり、高くなると浮腫がでやすくなります。
ALB(アルブミン) 3.5~5.0g/dl 体液の浸透圧の維持をしています。栄養不良でアルブミンが減少すると浮腫が起こってしまうことがあります。
AST 40U/l 肝障害で肝細胞が壊れると高値になります。激しい運動の後
ALT 45U/l 一時的に高い値になることがあります。心筋梗塞ではAST,肝障害ではALTの方が強く上昇します。
LDH 200~390U/l 心筋梗塞や肝炎などの心疾患や肝疾患ではそれぞれの細胞が壊れると上昇します。
アミラーゼ 95~470U/l 膵液、唾液腺で作られていますが、急性膵炎や耳下腺炎で上昇します。
CPK 男 50~230U/l 骨格筋や心筋の障害があるとこの値が上昇することがあります。また、ゴルフ・ジョギング程度の運動でも上昇することがあります。特に心筋梗塞が見られる場合に高値になることがあります。
女 50~210U/l
Na(ナトリウム) 135~140mEq/l 体液の浸透圧や体液量の維持を行います。
Cl 100mEq/l前後 Naと共に水分の平衡、浸透圧の調節の役割を担っています。
Ca(カルシウム) 8~10mg/dl カルシウム値が低いと骨がもろくなり、高いと骨意外の場所に沈着しやすくなります。
Mg(マグネシウム) 1.4~1.9mg/dl 中枢神経や心臓、筋肉の機能調節に重要な役割を果たしています。ほとんどんの骨や筋肉などの組織中に含まれています。Mgが高い場合の殆どは薬によるもので、激しい下痢の時に低くなる場合があります。
Fe 男 60~210㎎/dl 血清中に存在する鉄そのもです。
女 50~170㎎/dl
フェリチン 男 21~282㎎/dl 貯蔵鉄です。
女 5~157㎎/dl
INTACT-PTH 50~100pg/ml 骨の代謝に関わるホルモンです。高P血症や、低Ca血症が長い間あると、上昇し骨障害を起こします。
グリコアルブミン 20% 過去2週間の血糖値の動きを平均して示しています。
HANP(ハンプ) 43pg/ml以下 循環血液量に反応して高くなります。透析後43pg/ml以下になるようドライウエイトを設定するのが好ましいです。しかし心疾患のある患者さんは、この値が標準値より高くなる傾向があります。
β2-MG(ベータツーミクログロブリン) 20~30mg/dl以下 低分子たんぱくの一種で、体内に溜まったβ2-MGは、繊維をつくりアミロイドという物質になって骨に沈着します。
BUN 透析前 80mg/dl以下 たんぱく質の代謝産物であり、透析効率だけでなく、食事の影響を受けます。
 * BUNが高い場合    たんぱく質の摂り過ぎ
 * BUNが低い場合    たんぱく質の不足
透析後 30mg/dl以下
Cr(クレアチニン) 透析前 12mg/dl以下 筋肉の代謝産物であり、筋肉量、運動量の多い人は高値を示すことが多い。食事とは直接関係ありません。
透析後 5mg/dl以下
UA(尿酸) 透析前 8mg/dl以下 牛乳・牛肉などに多く含まれます。高値になると痛風の症状がでることがあります。
透析後 4mg/dl以下
K(カリウム) 透析前 5.5mEq/l以下透析後 3~3.5mEq/l以下 食事摂取量の不足、カリウムの多い食品の摂り過ぎ、透析不足等で高くなります。
P(リン) 透析前 6mg/dl以下 たんぱく質の代謝産物であり、食事によって値が影響を受けます。血中のリンが持続して高いと、骨以外の場所に沈着しやすくなります。
透析後 2.5mg/dl以下