■エンドトキシンと透析液清浄化⇒死亡率の低下

平成24年4月から、オンラインHDF透析濾過が、正式に認可を受けました。
透析液中のばい菌がいないことと、死滅した菌の破片であるエンドトキシンが測定感度以下
であることが、必要条件です。

しかし、このエンドトキシンが感度以下というのが、曲者です。
現在測定は、生化学工業や和光純薬などのメーカーの機械を使用して行っていますが、
0.001EU/ml以下であればOKです。
これはある意味、かなり幅があります。

今年のHDF研究会で、滋賀医科大学、外科学講座の小幡先生が、0.0000048EU/mlまで、
測定できることを発表されました。
現在、当院の透析液を測定していただくことになっていますが、測定感度以下でも
臨床データや患者の状態に関連性がわかる可能性があります。
また、施設間の差異がわかるようになるということでもあります。
エンドトキシンは低ければ、低いほど良いのです。

エンドトキシンを低下させるには、RO装置(純水作成装置)や供給装置や
コンソール(患者横の透析機械)の日頃の消毒に加え、
実は一番大事なのが、『配管』です。すなわち、盲点で、患者さんは見えませんよね。
建物の中ですから。
通常は、塩化ビニール管で、配管しますが、当院は抗菌ホースを使用しています。
数年前に、ホースを全部交換しましたが、中はきれいで、
塩化ビニール管のような汚染は見られません。
また、塩化ビニール管は、建物を壊さない限り交換はできませんよね。

そのほか、水の分子を小さくして、ぬめりを発生しないように、磁気発生器を使っています。
(ハイドロトリータと言います:NASA発明)
当時は???と思いながら、数百万で購入してみましたが、効果はあったと思います。
当院は、オンラインHDFを初めて14年目ですが、保険適用前からオンラインHDFを行っている
施設は、色々工夫していると思います。